concept

 人間の本能的欲求はまちや風景をどのように変えるのか

「より自由に、より豊かになりたい」
この人間としての本能は、まちをどのように変えていくのだろうか。

 人はより自由に、より豊かに生きるために様々なものやシステムを考案してきた。考案されたものやシステムの導入とそれに伴う副作用によってまちは変容し、またその都度修正してきた過去の蓄積によって現在があるといえる。原始的には衣食住といったものはもちろん、仕事や生業、社会の中での役割や仲間との結びつきが必要なもの、それらを支える制度やインフラ、情報といったもの等がまちの姿、様相を変えてきた。
 人間の本能としてこの動きは変わらないだろう。しかし、その求める自由や豊かさは時代によって大きく変化してきたのはこれまでの歴史が教えてきてくれた通りである。人工物は飽和している現在、より質的満足を目指すことに焦点を当てることになるだろう。その中で、まちはどのように変わるのだろうか、そしてどのように変えていくことが(あるいは維持・保存していくことが)より豊かな暮らしをもたらすだろうか。過去の歴史、現在の現象の観察、そして将来への予測といった時間軸を意識しながら,まちや風景の変化について記述すること,そしてその方法論を構築したい。


風景を切り口として考える

 風景とは何かという議論は難しいが、その場所を理解する上で視覚的な情報として顕在化しているもの、その個々の要因およびそのゲシュタルト(全体性と呼ぶべきだろうか)から観察することを基本としている。視覚化される情報(環境)がどのように人間との関係を結び、風景として認識されるのか。現象の全体性を説明するためには様々なアプローチが必要であるが、安易に単純化するのではなく、その複雑さそのものを受け入れて本質を捉えるアプローチを行いたい。
 人口減少や少子高齢化によって集落や地域の将来に不安を抱える地域や、グローバル化や行き過ぎたともいえる資本主義経済の中で方向性を提示しなければならない都市部、それらに対して風景というものをひとつの切り口として将来のあるべき姿について発信していきたい。

 以上のようなことを問題意識に持ちながら、調査研究およびまちづくりやデザインの実践を行っています。 

 

実施内容

行政、設計デザイン、大学における研究・教育の全てに関わった経験を生かし、以下のことを主に行っています。

1 調査/研究
  土木景観,土木史,都市工学の分野を中心として,日本各地の集落・都市の関する各種研究を行っています。
  【現在取り組んでいる研究】
   ・人口減少(人口動態)と土地利用変化の関係性についての研究
   ・日本の近代化過程における技術導入に関する研究
   ・東日本大震災の復興過程に関する住民参加に関する研究

2 まちづくり関連の施策提案・実践
  総合計画・まちづくりに関する計画の策定支援、地域におけるまちづくりの実践を行っています。

3 まちづくりに関する各種デザイン・空間デザイン
  まちづくりに関する空間デザインをはじめとする各種デザイン、計画(設計)を行っています。

 ※各種依頼、詳細についてはcontactページよりお問い合わせください。